リフレームということーー町に下りてきた熊が電柱で感電して落ちて確保より

リフレーミング(reframing)とは、ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みで見ることを指す。
西尾和美「リフレーム 一瞬で変化を起こすカウンセリングの技術」によると、
「リフレームの目的は、今までの考えとは違った角度からアプローチしたり、視点を変えたり、焦点をずらしたり、解釈を変えたりと、誰もが潜在的に持っている能力を使って、意図的に自分や相手の生き方を健全なものにし、ポジティブなものにしていくことです」(32p)とのこと。

先日のテレビ番組で世界各地のビデオを紹介していたが、
その中で、町に下りてきた熊についてのものがあった。

町に下りてきた熊は、人々に追い立てられて電柱によじ登って逃げようとする。
電柱の天辺で、感電して落ちてくる。
ビデオを構えて一人の女性は、その瞬間を逃したためか
ライフル銃で狙撃されなかったためか、激しくののしっている。
熊は足にヤケドを負って確保される。

ここまでをシーンAとしよう。

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ここからシーンBが始まる。
その前日か、一頭の小熊が町で確保される。
どうやらその小熊を探して町におりてきた母熊らしい。
心配そうに小熊がヤケドを負った熊に寄り添う。

ここで関係者を含めて視聴者にリフレームが起こる。

7ヶ月後、親子ともども放たれ、森へ帰っていく。

ヨカッタ!ヨカッタ!

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もしシーンBが無くて
すぐに下のようになっていたら、

7ヶ月後、放たれ、森へ帰っていく。

となったら、関係者を含めて視聴者にリフレームが起こらず、
また、町におりてきて、人や家畜に危害を加えるじゃあなかろうか、
動物園へ送ったり、どこか遠い山の奥で放した方が良いんじゃあなかろうか、
と思う。

つまり、
ひとつの風景をみても
与えられる情報によって
まったく違ったものに見える。

人間には2種類の見るがある。
 1.正確に見るために短期視覚
    コップや物を手に取るための見る
 2.感じるとともに見るという長期視覚
    そこに自分なりの意味付けがあり、その意味付けされたものが記憶として残る

 与えられた情報をよって、また何らかのきっかけによる自らの気づきによって
 リフレームが起こり、
 2の意味付けが変わり、記憶の風景の意味も変わり、感情の色合いも変わる。

「そうだったのか!!」とか
「アレがあったから、今日の自分がある」とかなどは、
リフレームが起こった結果である。

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