進化の大ジャンプー2 母性愛の芽生え

南アフリカのタルー盆地で見つかった
2億5000年ほど前のキノドンの化石は、
親と子が向かい合っていた。

キノドンは、小さなネズミのような動物で
現在、オーストラリアのタスマニア島にいるハリモグラがキノドンに近い。
卵を産み、孵った子は親の体にくっついて、毛穴から出る白い汗を舐めることで育つ。

3億年ほど前のペルム紀
脊椎動物の先祖は、卵を産み、殺菌作用のあるリゾチームを含む汗を卵にかけていた。
あるとき、汗を作る遺伝子が変異して
甘い栄養素が入った白い汗が出るようになった。

「殺菌作用のあるリゾチームを含む汗」と「甘い栄養素が入った白い汗」のDNAの配合は非常に似たものである。

甘い栄養素の入った白い汗、即ち母乳の誕生である。

2億5000年ほど前に火山の大噴火が起こり、2000m上空まで炎が上がり、それが100万年続いた。
これにより96%の生物が絶滅した。
生き残ったものの化石が中国で見つかった。
ジュラマイヤといい、10cmほどの動物で、
胎盤を持っていた。

1億5000年ほど前のジュラ紀
恐竜時代が始まる。
哺乳類の小さな先祖は、子供を守るため、新たな遺伝子を獲得する。

先祖の間にウィルス感染が広がり、次々に死んでいく。
レトロウィルスは、宿主の細胞の中のDNAを切って、自分の遺伝子を組み込みんでいく。
その中のペグテン遺伝子が、宿主の免疫機能を抑え、宿主からの攻撃を防ぐ。
ウィルス感染から生き残った先祖には、DNAに新たな遺伝子が組み込まれていた。

赤ちゃんの尿をためる袋が進化して母親の体内に留まるようになり、胎盤となった。
体内の異物として攻撃から、赤ちゃんを守っているのが胎盤であり、新たに獲得したペグテン遺伝子である。

体内で育てることにより、格段に赤ちゃんの生存率が高くなっていった。

殺菌作用のある汗を作る遺伝子の変異による母乳の誕生と
新たな遺伝子の獲得による胎盤の誕生が、
哺乳類の母子の関係を強め
母性の誕生となっていった。

                  出典「NHKオンデマンド特選『生命大躍進2』」

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