あなたが営業部の統括部長だとしましょう。
得意先や仕入先、また自社内でも人事異動により担当者が換わります。特に、対応に細心の注意が必要な官公庁やその出先機関では、2,3年ごとに異動します。その人にとっては、自分の部署が変わり、あなたの会社の窓口となる担当者が換わろうと、あなたの会社はあなたの会社です。あなたの会社との経過をずっと引きずったままです。その経過がどういうものであるのか、事前に知っておくことは、新たに担当者になる人にとっても会社にとっても重要なことです。この時期だれが担当していたのか、どういうことがあったのか、など代々の担当者の情報や情報の繋がりの蓄積と引継ぎが、営業支援となり、
会社の信用を増すことになり、何かのときのリスクヘッジになります。
次に、社内での情報の蓄積と引継ぎがないため、いかに無駄なコストが発生しているか試算して見ましょう。
転勤の多い企業、特に銀行・証券会社・保険会社・官公庁では、
転勤異動の時期になると短期的に大きなコストが発生します。業務の引継ぎに伴うコストです。
必要悪とみなして放置していませんか。目に見えないコストのため、どれ位のコストが発生しているのかが、見逃されがちです。下の欄で50名が異動したときのコストを試算しています。なんと900万円のコストが発生しています。
引継ぎのコストの発生は無くすことはできませんが、抑えることは可能です。
顧客台帳や顧客管理システムがあるから大丈夫なのでしょうか。
顧客台帳に記入している内容や顧客管理システムに入力している情報は、前任者の頭の中にある情報のごく一部でしかありません。
それにより顧客個々の情報が大体わかっても周りの人々や顧客同士の人脈情報はわかりません。
これまでの営業方法を続けていくのなら、これで十分です。でも現在、多くの企業は従来のやり方でジリ貧に陥っており、新たな富の創造、財源の確保が早急に求められています。
では、関係も含めた顧客情報はそれに応えるものなのでしょうか。これは別なページで記述いたしたいと思います。
ここでは、引継ぎはなぜ必要なのかということです。
一番の理由は、チャンスの喪失を防ぎ、さらに取引を拡げ、相手を通じて新たな顧客を開拓するという目的のためです。
挨拶に行ったときなど、あなたがもし言葉の端々にこれまでの経過を了解していることを示せば、相手は引継がれたということで、あなたの会社が自分の力や自分との取引を大事にしているんだなと思います。それにより、満足感を覚え
、あなたに好印象を持ち、今後の取引にも良い効果を与え続けます。
これは大事なことです! |
|
例えば、あなたが新任地に赴任したとします。 ところが…
貴重な人脈情報は、前任者が頭の中に入れたまま新任地へ持っていってしまいます。
簡単なメモ書きを残していても、これまで見てきたように関係を文字や図で
多くを表わすことはできません。
その上、新任の雑務に追われるあなたには、自分で調査する時間がありません。
知らぬ間にチャンスを喪失しているのかも知れません。
.
|
|
一番大事な人脈情報は
前任者の頭の中
|
○誰が中心人物なのか。その人の最近の精確な情報は。
○顧客の周りの人々や顧客同士の微妙な関係についての情報は。
○誰と誰が仲が悪く、同じ席に招待してはならないのか。
○狙った営業ターゲットへの根回しは、誰から順にすると効果的なのか。
○前任者の頭の中のその記憶部分がそのままコピーできたら・・・ |
|
|
|
昔の手帳はどこだ?
新任の作業で手一杯なのに |
|
忙しいのに申し訳ないなぁ
前任地からの問い合わせもあるし |