5-d.情報の共有 前のページへ戻る 次のページへ進む

 人脈を管理すると、日常的に様々な人脈情報データを検索・参照していることになります。
 自然に顧客同士の人脈を学習し、同僚が知り得た人脈情報をも共有することで、広い知識を得ることが出来るようになります。

 特に、営業マンの担当地区が個別に分けられている場合、自分の担当地区に関係ない情報は聞き流してしまいがちですが、それは別地区の担当者にとっては、のどから手が出るほど欲しい情報だったということもあるでしょう。

 実際、一件落着後の雑談でたまたま飛び出した古い情報に、
「もっと早く聞いていれば...しまったなぁ」と臍を噛んだ事もあるのではないですか?

 結果オーライなら、無駄なコストをかけたという反省ぐらいでしょうが、契約を落としてしまっては泣いても泣き切れません。
 

ミシガン大学ビジネススクールシリーズの『ソーシャル・キャピタル』(人と組織の間にある「見えざる資産」を活用する)で著者のウェイン・ベーカー教授が、幸運というところで次のように書いています。

 幸運は決して偶然ではなく、実は必然的なものである。運の良い人は「クモの巣のような情報網」を構築しており、多種多様な情報をキャッチし、タイミングよく行動するチャンスを増大させていることが数々の研究によって証明されている。このような人々は、直線的ではなくジグダグ方向に進むことで、利益を得る偶然のチャンスに巡り合っている。
(中島豊訳 ダイヤモンド社)

 情報を共有するのは、同じ事務所内に限ったことではありません。
 自社に利益をもたらしてくれた取引先の担当者の人事異動が、自社の別部門に影響を及ぼす事もありえます。
 その逆に、気を使って対応しなければならない相手だった場合、何も知らない自社の新担当者が、せっかく築き上げた人脈ルートをつぶしてしまう可能性も出て来るのです。

 だからこそ、人脈情報の共有・蓄積は慎重に、かつ敏速にしなければなりません。

次々に受け継がれる人脈情報は自社の財産へと成長します。
 
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