進化の大ジャンプー5.1 脳は集中と拡散(目の前の餌と外敵への警戒)の2つのモードを持つ
今世紀初頭以来、神経科学の脳研究は目覚ましく発展し、
脳は非常に注意深い状態「集中モード」とリラックスした安静状態「拡散モード」
の二種類のネットワークを適宜切り替えていることがわかってきた。
いずれも学習には不可欠である。
人間は日々さまざまな活動で二つの思考モードを始終交互に切り替えているだろう。
意識にしても一度に両方のモードの状態に入ることはなく、集中モードもしくは拡散モードのどちらか一方のモードになるようだ。
集中モード思考は、数学や科学の学習に欠かせない。
合理的・逐次的・分析的方法を使って問題を解くときには、この思考が直接かかわってくる。
集中モードは、頭の真後ろに位置する脳の前頭前野皮質の集中力と関係がある。
何かに注意を向けると、いきなりフラッシュをたかれたように集中モードがオンになる。
集中モードから拡散モードへの移行は、ごく自然に起こる。
例えば、数学や科学の勉強に一区切りをつけて散歩やうたたねをしたり、
ジムで運動したりと気晴らしをしているうちに集中モードから拡散モードへ移っていく。
出典『直感力を高める数学脳のつくりかた』