アメリカ人のフロンティアスピリッツについて -- 1850年代のシカゴの都市大改造
ビルが立ち並んだ1850年代のシカゴで、コレラ対策で下水道のインフラを整備するため、街全体を3mほど待ちあげることが実行された。
当時のシカゴは、氷河期の氷が解けて出てきた土地のため一面まっ平な地面の上にいくつものビルが立ち並んでいた。
幾千ものジャッキで一画全体を持ち上げ、建物の下に下水道管を取り付け、近くの川をしゅんせつしてできた土で埋めた。
当時の旅行者の日記には、建物が道を横断するため、馬車が一日に何度も立ち止まらざるをえなかった様子が書かれている。
これを可能にしたのは、市が任命したチーフエンジニアであるエリス・チェスブロウの経験と時代が提供する技術である。
鉄道敷設の経験者であったこと
鉄の塊である列車を持ち上げるジャッキのその財を身近に見てきたことなど
この都市の大改造という難工事の間にも、日常の業務は滞りなく続けられたという。
アメリカ人の偉大なるフロンティアスピリッツに感嘆を禁じ得ない。
詳しくは、スティーブン・ジョンソン著『世界を作った6つの革命の物語 新・人類進化史』の「清潔」の中で書かれている。