多様性の追求か、はたまた、専門化か 環境への適応度がそれを決める。アフリカやアジアのサルは多様で人への進化があったが、アマゾンには尾っぽが異常に強いサルしかいない
4月17日の日経新聞の松沢哲郎教授の「チンパンジーと博士の知の探究」より。
南米のサルからどうして他のアフリカやアジアのように
ゴリラやオランウータンやホモサピエンスなどが分化していかなかったのか
の考察が興味深い。
アマゾン流域に生息するサルは、尾っぽが強く、
第五の手のように、尾っぽだけで枝を捉えて
4本の手足を自由に使うことができる。
アマゾン流域は広大で、雨季と乾季のときの水位差は10mもあり
一面が水に覆われる。
アフリカやアジアも雨季や乾季があるが、
大地が水で覆われることはない。
これにより
アマゾン流域では、樹上生活に適した進化、専門化が進み、
アフリカやアジアは、森や森の外の乾いた大地へと進化、多様性へと
進んでいったのではないか。
”世界三大熱帯林といわれるコンゴやボルネオでも川沿いで水につかる森を見たが、アマゾンとは比べものにならない。
こうした水浸しの環境では、樹上にすみかを求めた霊長類の共通先祖が地上に降りるのはたやすくないと感じた。
森の暮らしの中から人類が生まれた。
しかし、森の外に広がる乾いた大地の方にこそ人類を育む環境があったのかもしれない。”