シグナルとノイズ The Signal and Noise

ラプラスは惑星の軌道の測定に取り組んだ。この時、彼はそれほど精密でなかった望遠鏡のによる測定にはこだわらず、確率論的な推論に頼ったところ、大きな成果を上げることができた。ラプラスは確率を無知と知識の中間に位置するものとみなすようになり、科学の発展には確率の理解が不可欠だと思うようになった。
こうして、確率と予測と科学の発展は切り離せないものであることが、18世紀ー数世紀前の印刷機の発明により大量の情報が利用可能となり、科学、技術、経済が飛躍的に発展した時代ーにベイズとラプラスによって確認されることとなった。この結びつきは、惑星の軌道を予測しようとする人にも、レイカーズの勝利を予測しようとする人にも同じように重要な意味を持つ。詳しくは後述するが、20世紀に入って科学がつまずいた原因は、予測の役割を軽視し、不確実性の原因を、人間の判断の不完全性ではなく、測定の不完全性にもとめるようになったことにあるのではないだろうか。
written by Nate Silber

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です